公正証書の作り方
公正証書は公証役場で公証人によって作成して貰うのですが、いきなり公証役場に行って公正証書を作成してくれといってもダメです。、公正証書の原案は予め作成しておきます。
公正証書は「金銭の支払を目的とする債務」に作成されるのが一般的である。
つまり、賃貸借契約の債務者の「債務を履行しない場合には、直ちに強制執行を受けても異議の無いことを任諾する」との承認の文言(強制執行認諾約款)が公正証書に記載されていれば、強制執行の申立の根拠となる債務名義という文書と同一の効力が認められ、裁判手続を経ないで直ちに強制執行を為し得るからである。
従って、金銭の支払を目的としない契約、例えば、土地賃貸借契約を公正証書にしても、それを債務名義として直ちに土地の明渡しを請求することはできません。
であるなら、金銭の支払を目的としない契約を公正証書にする意味はないかというと、そうでもなく、公正証書は、公証人が作成した公文書であり、高い信頼性があるとされ、後々裁判となった時に高い証拠能力が与えられるのです。
このサイトは商取引に関するサイトなので
準消費貸借の公正証書作成について説明します。
以下に説明する内容は消費貸借に対する手続きですが、「準消費貸借」の場合も同じです。
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公正証書の作成上の注意点
金銭の支払を目的とする公正証書作成する場合の注意すべき点は
1.強制執行認諾約款を必ず付ける事・・・「債務者が債務を履行しない時は直ちに強制執行を受けても異義ない事を承諾する。」という文言を入れること。この文言を入れることにより、債務者が債務の履行をしない時には裁判の手続きを経ないで直ちに強制執行の手続きをする事が出来ます。
2.債務が特定していること。・・・つまり、単に債権者甲と債務者乙の1億円というだけではだめで、具体的に何時、何についてなされた契約の金額であるかが特定されていなければなりません。
3.給付すべき金額が一定であること。・・・例えば株式証券1万株の売却代金というだけでは金額が売却時の時価が分からなければ特定出来ないのでだめだということです。出世払債権のように、将来ある特定の時にならないと確定しない債権はだめです。
4.利息の有無を明確にしておくこと・・・利息の約定がなければ、商人間の行為でない限り無利息となります。但し、明記する場合も、利息制限法に違反することは出来ないことはもちろんです。
5.遅延損害金な約定も明記しておく。・・・約定がない時は法定利率となります。
6.弁済の場所について何の定めもない時は、弁済時の債権者の住所地ということになります。従って、債権者の住所地以外で弁済を希望する時は定めておいてください。
7.保証人があるときは、それが単純な保証人か連帯保証人かをハッキリさせておきます。連帯保証人の場合は債務者と同一の責任を負うことになります。
8.公正証書作成費用は当事者折半。
9.準消費貸借の場合は既存の債務が有効に成立していることと、その債務が特定されている必要があります。
10.債務弁済契約の場合はどのようにして支払うかを定める。・・・単に債務を承認させただけでは、それにもとずいて強制執行することは出来ません、どのようにして支払うかを定める必要があります。
11.売買契約の場合は目的物の特定が必要です。
12. 将来発生すべき債権については公正証書を作成することはできません。つまり、公正証書を作成することの意味は執行認諾約款を付けることにありますが、将来の債権については、執行認諾約款を付けて債務者に債務の強制を迫ることはできず、公正証書作成時に現に債権は特定していなければ執行認諾約款は付けられないと言うことです。
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本人確認
公証人は、公正証書の作成依頼者が、まさしく本人であることを確認する必要があります。何故なら、公正証書は、強制執行も認めるというものですから、本人以外のものの嘱託によって公正証書を作成すると、後でえらい問題が起こりかねないからです。
そこで、公証人法は、その確認の方法として
@公証人が、嘱託人の氏名を知り、かつこれと面識のあること
A官公署の作成した印鑑証明書の提出、
Bその他これに準ずる確実な方法
をあげています。
しかし、現実的にはAが中心です。
また、嘱託人が法人である場合は、嘱託する人の代表権を称するために、その法人の代表者についての資格証明書が必要です。
なお、嘱託人の嘱託する事項が遺言書などの身分関係である場合は正確を期するため関係者の戸籍謄本、不動産に関連する場合は、その不動産の登記簿謄本と公正証書の作成費用との関係で、その不動産の評価証明書が必要になる場合があります。
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代理人による嘱託
代理人により嘱託の申請をする場合は、代理人に対する委任状と、代理人に自身の印鑑証明書が必要になります。 公正証書作成の代理人は、公証人法上、なんら制限がないので誰でもなれます
本人が代理人に依頼して公証人に嘱託する場合には、委任状を添付することになっていますが、その委任状に記す代理権限を詳細に明記します。
間違っても白紙委任状にすべきではありません。
もっとも、公証人の方で白紙委任状の場合は受け付けないでしょう。
なお、公証人施行規則は公証人が代理人の嘱託により公正証書を作成した時は三日以内に
(1) 証書の件名、番号、証書作成の年月日
(2) 公証人の氏名及び役場
(3) 代理人及び相手方の住所氏名
(4) 執行認諾約款の有無
を本人に通知しなければならないことになっています。
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公証人の管轄区域
公証人の管轄区域とは、公証人が公証人としての職務を執行する事が出来る土地の管轄区域を言います。
この管轄区域は、公証人が仕事の出来る範囲を決めたもので、嘱託人の住所地とはなんら関係がありません。
例えば北海道の嘱託人が東京の公証役場で公正証書作成の依頼をすることは出来ますが、東京の公証役場の公証人が北海道まで出向いて公正証書の作成をすることはできません。
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具体的な作成方法
1.用意するもの。
| 本人による場合 |
@ 本人の印鑑証明書(法人の場合は法人の印鑑証明書)一通(自動車運転免許証・パスポートでも可)
A 法人であるなら資格証明書一通または商業登記簿謄本、あるいは役員欄の抄本一通
B 実印(法人なら代表印) |
| 代理人による場合 |
@ 本人の印鑑証明書(法人なら法人の印鑑証明書一通)
A 本人が法人なら資格証明書一通または商業登記簿謄本。あるいは役員らんの抄本一通
B 委任状一通
C 代理人の印鑑証明書一通
D 代理人の実印 |
2.代理人に嘱託する場合の委任状
方法1:契約書を別紙に定める方法
委 任 状
私は、山崎陽一を代理人として定め、以下の事項を委任する。
1. 別紙契約書による公正証書の作成嘱託に関する一切の件
2. 公正証書に強制執行認諾約款を付すること
3. その他、適宜付帯の事項について相手方と協定すること
平成○○年○○月○○日
委任者
住所 xx県xx市xx町1−1
職業 会社員
氏名 ○○○○ 実印 |
上記委任状の委任権限の内容の詳細は別紙契約書の通りということで別に詳細に定める。
上の委任状を債務者本人分と連帯保証人分を用意する。
代理人は社内の同僚でもよい。
方法2:簡便なのでお勧め
委 任 状
株式会社○○○(以下甲と言う)、□□□(以下乙と言う)、△△△△(以下丙と言う)、◇◇◇◇(以下丁と言う)、▽▽▽▽(以下戊と言う)は、○○県○○市○○町1−1 ●●●●をもって代理人と定め、下の権限を委任する。
1 債権者 ■■■■株式会社、債務者 甲間に於いて、平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日現在迄の購入代金の債務額を承認し、かつ準消費貸借をなしたること。
2 連帯保証人 乙、丙、丁、戊、は甲と連帯して債務を履行することを諾約し、かつ準消費貸借をなしたること。
3 債務額 金参千壱百参拾八万六千七拾円也。
4 弁済方法 平成○○年○○月より平成○○年○○月まで、金〇〇万円也、平成○○年○○月残金全額を、毎月末限り▲▲▲▲銀行株式会社銀行
口座に、振込の方法にて支払うこと。
5 利息 年壱割五分、元金支払の都度支払うこと。
6 遅延損害金 年参割。
7 下記に該当する場合に、右債務に対する期限の利益喪失事項を定むること。
@ 弁済金額及び弁済日を一回でも怠った時。
A 他の債務につき、仮差押え、仮処分または強制執行を受けたる時。
B 他の債務につき、競売、破産または和議の申し立てがあった時。
8 強制執行認諾を定むること。
9 公正証書作成費用、及び強制執行費用、並びに請求にかかる一切の費用の債務者負担とすること。
10 その他付帯の条項を適宜協定契約すること。
11 以上の契約に関する一切の事項につき、公証人に於いて公正証書を作成すること。
右、委任する。
平成○○年○○月○○日
(甲)債 務 者 ○○県○○市○○町2−2
株式会社○○○
代表取締役 ○○○○ 会社実印
(乙)連帯保証人 ○○県○○市○○町3−3
昭和○○年○○月○○日生
職 業 会社役員
□□□□ 実印
(丙)連帯保証人 ○○県○○市○○町4−4
昭和○○年○○月○○日生
職 業 会社役員
△△△△ 実印
(丁)連帯保証人 ○○県○○市○○町5−5
昭和○○年○○月○○日生
職 業 会社役員
◇◇◇◇ 実印
(戊)連帯保証人 ○○県○○市○○町6−6
昭和○○年○○月○○日生
職 業 会社役員
▽▽▽▽ 実印
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以上揃ったなら、関係者全員で近くの公証人役場に出向きます。
代理人を立てた場合は代理人が出向きます。もちろん、債権者も代理人を立てた場合は、債権者の代理人が出向きます。
上の方法2の場合は、債権者本人と債務者及び連帯保証人の代理人の2人が、必要書類を携えて公証人役場に行きます。
公証人役場では、公証人において債権者・債務者の本人確認の後委任状に基づいて両者に確認します。
全ての確認が両者から取れますと、公正証書の作成日数を考慮して、作成した公正証書の受け取り日を公証人が指定します。
指定された日にちに、また同じように関係者全員で出向きます。
そこで署名捺印して、公正証書で作成された準消費貸借契約書が債権者と債務者双方に渡されます。もう一通は公証人において保管してあります。
以上で終わりです。
もし債務者が取り決めた条項に違約した場合は、裁判所の判決を必要としないで強制執行等がすぐ実行できます。